Report
活動報告

福島から、全国の農地整備に変革を。〜vol.2〜

更新日時:2026.09.23

vol.1で書いた農水省職員との勉強会の成果をもとに、農水省は8月21日付けで、基盤整備に関する画期的な通知を全国に発出しました。

「換地処分登記の名義人は被相続人(亡くなった祖先)のままで問題ない」という通知で、これまでの基盤整備に関する現場の実務を180度転換するものです。

実際、通知が出されると、すぐに複数の地方自治体から農水省に、「運用を柔軟化してもらってありがたい」と、連絡があったそうです。

基盤整備では、工事後に、従来の農地に対する所有権を、使いやすく整えた新しい農地に割り当て直す「換地処分」が行われ、割り当て直した土地について所有権の登記をすることが求められます。
しかし、2024年に相続登記が義務化されて以降、昔の農地の登記名義人がすでに亡くなっている場合には、その者を換地後の新たな土地の所有者として登記することはできないと現場では扱われてきました。
この運用に従うと、相続未登記土地については、現在の所有者(共有者)が所在不明であることが多く、権利関係の整理が困難となるため、結果として新たな土地について登記ができなくなってしまいます。これが、相続未登記土地を基盤整備の対象から外す大きな理由となっていました。
しかし、弁護士的な感覚からいえば、これは相続の場面ではないのだから、相続登記義務化は及ばないはずだ。従前の農地に対する所有権を、そのまま新たな農地の所有権へと転換する手続きなのだから、従前の土地の登記名義人が亡くなっていても、その者の名前で新たな農地についても登記することが許されるはずだ——。
そう考えた私は、登記を管轄する法務省と議論したところ、なんと法務省としても同様の見解であることが判明。
すぐに法務省から農水省へ「換地処分登記の名義は昔の所有者のままでいい」という見解を伝えてもらい、それが冒頭の通知の発出に繋がりました。
私が福島で農家の方々の悲痛な声を聴いてから数か月で、問題の解決に向けた成果をひとつ出すことができました。
一方で、ほかにまだ論点が残っています。これらの解決に向けて、引き続き粘り強く取り組んでいきます。

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